何か新しいことを始めたり、お祝い事や良い結果を期待する時などに、気持ちの面で少しでも後押ししてもらいたいと思うことは、ありませんか?
そんな時、ゲンを担ぐ意味で、古来より縁起が良いとされる「吉日(きちじつ)」を「よいお日柄(おひがら)」として参考にしてきた、といえるのではないでしょうか。
「大安吉日」とは、比較的よく目にしたり聞いたりする機会がありますが、周期的に訪れる代表的な3つの吉日といわれているものについて、意味や具体的な日程を調べてみました。ご参考になさってみてください。
「吉日」とは縁起のよい日
「吉日(きちじつ)」は「きちにち」と読むこともあり、その意味は、『小学館デジタル大辞泉』によると、
縁起のよい日。祝い事など、何か事をするのによいとされる日。
とあり、他の国語辞典にも
「物事をするのに、日取りのよい日。めでたい日。運のいい日。」とありました。
科学的根拠があるわけではありませんが、古来より「吉日は縁起がよい」とされてきました。
「日付は関係ない」という考え方、「時々何かの折に取り入れてみる」、「とても気にする」など様々な考え方があります。
特に、自分だけではない事柄や行事に関する場合は、様々な社会的状況や人間関係において、(空気を読んだ)選択肢があれば、心理面での安心やゆとりが持てるのではないでしょうか。
代表的な3つの吉日
吉日にはいくつも種類がありますが、以下の3つが代表的なものといえるでしょう。
・大安(たいあん)
・一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)
・天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)
「大安」は特に有名で、多くの人が結婚式などで選ぶ日として知られている吉日です。
「一粒万倍日」と「天赦日」は、古来からの暦に記載があることから、比較的知られている吉日です。それぞれ異なる起源があり、どちらがより縁起が良いかを比較することは難しいのですが、どちらも暦注に必要な一部とされているものです。
大安について
大安は、「六曜(ろくよう)」の中で、最も縁起が良いとされる日です。
「六曜」は「先勝・友引・先負・仏滅・大安・赤口」という6つの日で一周する暦を、一部固有のルールとともに現在の暦に当てはめており、所々で切り替わりが生じてこの順番が変化することもありますが、概ね周期的に訪れます。
大安は「大いに安し」という意味を持ち、何を行ってもうまくいく日とされています。
そのため、入籍や結婚、ビジネスの開始などに、重要なことを始めるのに良き日とされています。この日は、新しいスタートに適した日として選ばれることが多いですが、一方で「良い日だからこそ休息を取る日」と考える人もいます。
一粒万倍日について
一粒万倍日(いちりゅうまんばいび)は、暦注(れきちゅう)の1つ「選日(せんじつ)」に分類される吉日です。
「選日」は、六曜や七曜(一週間を指す)など暦の周期には当てはまらず、良い日や悪い日を特定するシステムです。
「十二支」が12日ごと、「十干(じっかん)」が10日ごとに一周する、双方の周期からなる組み合わせなどから、月に約5~6回、年間で約60日位訪れます。
一粒万倍日は、「一粒の籾(もみ)が万倍に実る」という意味合いから名付けられており、何を始めるにも好ましい日とされています。
この日に始めたことは後に大きな成果を得る、幸福の種が大きく膨らむというイメージから、特に入籍や祝い事、起業やお金に関することを始めるのに、良い日とされています。
(ただし、物やお金の借り入れには慎重に、後のちに苦労のタネが増えるかもしれないと、立ち止まる注意喚起の要素もいわれています。)
※暦注(れきちゅう)は、暦に記載される日時・方位など吉凶そのものや、その日の運勢を記載したものの総称です。上段・中段・下段があり、日付など上にあるものほど重要とされています。
天赦日について
天赦日(てんしゃにち/てんしゃび)は、「暦注下段」に属する吉日です。過去には迷信とされ禁止された時期もありましたが、その人気は現代にも引き継がれています。
天赦日の由来は明らかではないものの、「天がすべての罪を赦す日」という意味を持ち、世の中のすべての神様が天に昇り、あらゆる罪が赦され障害が取り除かれる恩恵を授かる吉日とされています。
この日は、万事に適した「万よし(よろずよし)」とされていますが、特に結婚式、出産届の提出、引越し、ビジネスの開始、職場の変更、新しい財布や銀行口座の開設、新車の受け取り、新しい趣味や技能の開始、セルフケアなどに良い日だそうです。
また、天赦日に該当する日は以下の4パターンと決められており、年間にわずか5〜6日のみのため、貴重な日と捉えることもできるでしょう。
・立春~立夏前日までの戊寅(つちのえとら)の日
・立夏~立秋前日までの甲午(きのえうま)の日 ・立秋~立冬前日までの戊申(つちのえさる)の日 ・立冬~立春前日までの甲子(きのえね)の日 |
吉日が重なる日
複数の吉日が同時に訪れる日は、さらに縁起がよいと感じ、勇気やエネルギーをもらえるような気がしませんか。
大安と一粒万倍日、大安と天赦日、一粒万倍日と天赦日、大安と一粒万倍日と天赦日が重なる日は、様々な面で非常に期待される日と考えることもできます。
このような日には、結婚届を提出したり、結婚式を行うこと、新しい財布や宝くじの購入、趣味や学びを始めるタイミングにもなります。
何か新しいことを始めるのに迷っている場合、これらの吉日が重なる日を、大きな決断や新たにスタートするためのきっかけや後押しにしてみるのもよいのではないでしょうか。
一方で、各吉日は「不成就日(ふじょうじゅび/ふじょうじゅにち)」と重なることもあります。不成就日は8日ごとの周期で訪れる、あらゆることに不向きな日とされています。
吉日が重なることでその影響を相殺するともいわれていますが、もし気になる場合は、新たな活動を控えておくのもよいかもしれません。
2024年9~12月,2025年の大安・一粒万倍日・天赦日
2024年9~12月期および、2025年の「大安」「一粒万倍日」「天赦日」を調べて、各月ごとに色分けしました。
また、※印の日付は、各吉日が重なる日を再掲していています。
≪ 2024年9~12月「大安」「一粒万倍日」「天赦日」≫
※「大安」「一粒万倍日」「天赦日」の色分けです。
■9月
1日(日)6日(金)12日(木)18日(水)24日(火)30日(月)
4日(水)12日(木)17日(火)24日(火)29日(日)
※ 9月12日(木)、24日(火):大安、一粒万倍日
■10月
5日(土)11日(金)17日(木)23日(水)29日(火)
6日(日)12日(土)21日(月)24日(木)
11日(金)
※ 10月11日(金):大安、天赦日
■11月
2日(土)8日(金)14日(木)20日(水)26日(火)
2日(土)5日(火)17日(日)18日(月)29日(金)30日(土)
※ 11月2日(土):大安、一粒万倍日
■12月
1日(日)7日(土)13日(金)19日(木)25日(水)
13日(金)14日(土)25日(水)26日(木)
26日(木)
※ 12月13日(金)、25日(水):大安、一粒万倍日
※ 12月26日(木):大安、一粒万倍日、天赦日
≪ 2025年1月~12月「大安」「一粒万倍日」「天赦日」≫
※「大安」「一粒万倍日」「天赦日」の色分けです。
■1月
5日(日)11日(土)17日(金)23日(木)
7日(火)10日(金)19日(日)22日(水)31日(金)
■2月
2日(日)8日(土)14日(金)20日(木)26日(水)
6日(木)13日(木)18日(火)25日(火)
■3月
3日(月)9日(日)15日(土)21日(金)27日(木)31日(月)
2日(日)5日(水)10日(月)17日(月)22日(土)29日(土)
10日(月)
※ 3月10日(月):一粒万倍日、天赦日
■4月
6日(日)12日(土)18日(金)24日(木)29日(火)
3日(木)4日(金)13日(日)16日(水)25日(金)28日(月)
■5月
5日(月)11日(日)17日(土)23日(金)27日(火)
10日(土)11日(日)22日(木)23日(金)
25日(日)
※ 5月11日(日)、23日(金):大安、一粒万倍日
■6月
2日(月)8日(日)14日(土)20日(金)30日(月)
3日(火)4日(水)5日(木)6日(金)17日(火)18日(水)29日(日)30日(月)
※ 6月30日(月):大安、一粒万倍日
■7月
6日(日)12日(土)18日(金)24日(木)30日(水)
12日(土)15日(火)24日(木)27日(日)
24日(木)
※ 7月12日(土):大安、一粒万倍日
※ 7月24日(木):大安、一粒万倍日、天赦日
■8月
5日(火)11日(月)17日(日)27日(水)
5日(火)11日(月)18日(月)23日(土)30日(土)
7日 (木)
※ 8月5日(火)、11日(月):大安、一粒万倍日
■9月
2日(火)8日(月)14日(日)20日(土)25日(木)
4日(木)7日(日)12日(金)19日(金)24日(水)
■10月
1日(水)7日(火)13日(月)19日(日)23日(木)29日(水)
1日(水)6日(月)16日(木)19日(日)28日(火)31日(金)
6日(月)
※ 10月1日(水)、19日(月):大安、一粒万倍日
※ 10月6日(月):一粒万倍日、天赦日
■11月
4日(火)10日(月)16日(日)21日(金)27日(木)
12日(水)13日(木)24日(月)25日(火)
■12月
3日(水)9日(火)15日(月)20日(土)26日(金)
6日(土)8日(月)9日(火)20日(土)21日(日)
21日(日)
※ 12月9日(火)、20日(土):大安、一粒万倍日
※ 12月21日(日):一粒万倍日、天赦日
まとめ
「吉日」は縁起の良い日であり、いわゆる良いお日柄といわれている日のことです。
新しい始まりに最適とされ、特に「大安」、「一粒万倍日」、「天赦日」がよく知られています。
これらの日は、結婚式や婚姻届の提出、新しいビジネスの立ち上げ、引越しなどに適しているといわれているため、タイミングに迷ったらこれらの日を参考に選んでみる、という手段の一つになります。
科学的根拠があるわけではありませんので、他に適した日があれば、その日に計画を合わせても、何の問題もないことですので、現代においては特に気軽におおらかに捉えていきたいものです。
個人にとっての心のゆとりや安心感、ポジティブなきっかけに、あるいは行事などで皆さんにとっての和やかで良い日となるように、時には興味をもって吉日を利用するのも、新たな視点が加わって楽しいかもしれません。