カレンダーを見るとき、「次の連休はいつかな?」と同じくらい、「6月は祝日がないんだ」と感じませんか?
大型連休が終わり、夏休みまではまだ少し先・・・そんな6月に祝日がない理由や祝日法の背景、日本の祝日の特徴を整理しながら、暮らしに小さな余白を作るヒントをご紹介いたします。
1年の後半へ向かう前に、少し立ち止まってゆとりを持つきっかけになりましたらさいわいです。
6月に祝日がないのはなぜ?

現在、国民の祝日がない月は6月と12月
現在の日本では、1年を通して「国民の祝日」がない月は6月と12月です。
国民の祝日を月ごとに見ると、次のように並んでいます。
・1月:元日、成人の日
・2月:建国記念の日、天皇誕生日
・3月:春分の日
・4月:昭和の日
・5月:憲法記念日、みどりの日、こどもの日
・7月:海の日
・8月:山の日
・9月:敬老の日、秋分の日
・10月:スポーツの日
・11月:文化の日、勤労感謝の日
12月は平成時代、12月23日に天皇誕生日がありましたが、現在の天皇誕生日は2月23日です。
一方で、6月には、長く国民の祝日がありません。
祝日法を見ると6月に祝日がない理由がわかる
国民の祝日は、「国民の祝日に関する法律」、いわゆる祝日法によって定められています。
祝日法では、国民の祝日について「祝い、感謝し、又は記念する日」とされています。つまり、単なる休日ではなく、国として祝う日、感謝する日、記念する日として意味づけられているのです。
たとえば、
・1月1日 元日:年のはじめを祝う日
・2月11日 建国記念の日:建国をしのぶ日
・3月20日頃 春分の日:自然をたたえ、生きものをいつくしむ日 ・・・
このように、国民の祝日にはそれぞれ意味や由来があります。
6月に祝日がない理由を制度の面から見ると、現在の祝日法に、6月に置かれる国民の祝日が定められていないためです。
もちろん、6月に祝日を作ってはいけないという決まりがあるわけではありませんが、国民の祝日として定めるには、その日をどのような意味で祝い、感謝し、記念するのかという位置づけが必要になるのです。
※すべての祝日および意味・趣旨などの詳細につきましては、今日のお休みは何?休日の種類・「国民の祝日」など意味一覧と祭日の違いをご参照ください。
日本の祝日の特徴から見る6月

この章では、日本の祝日全体の特徴について、1年の祝日の並びや世界との違いを知ることで、6月の空白がなぜ目立つのか見ていきましょう。
日本の祝日は世界の中でも多い方
日本の国民の祝日は、世界の中でも比較的多い方といわれることがあり、年間16日位あります(※振替休日など祝日法の規定に該当する日数が生じる場合があるため「位」と記しています)。
国や地域によって数え方は異なりますが、ヨーロッパには日本より祝日数が少ない国が多い傾向、東南アジアでは祝日数が多い国がある傾向といえます。
たとえば、祝日数の比較では、次のように紹介されることがあります。
・日本:16日位
・フランス:11日前後
・イギリス:8日前後
・オランダ:8〜9日前後
・タイ:宗教業などを含め20日以上
・ミャンマー、ネパール:宗教行事などを含め20以上
国によって祝日の数え方や地域ごとの規定、長期休暇の取り方は異なるため、祝日数だけで「休みやすさ」を比べることはできません。
日本の場合は、国民の祝日が比較的多く、振替休日や連休につながることもあります。そのため、カレンダーを見たときに「ほぼ毎月のように祝日がある」という感覚を持ちやすいのかもしれません。
皇室・歴史・自然・感謝にまつわる祝日がある
日本の祝日は、皇室、歴史、自然、感謝、人生の節目など、幅広くさまざまな意味を持つ日で構成されています。
例えば、一覧にすると次のように整理できます。
| 祝日のテーマ | 主な祝日 |
|---|---|
| 年のはじめ・暦の節目にまつわる祝日 | 元日 |
| 皇室にまつわる祝日 | 天皇誕生日 |
| 国の歴史や時代にまつわる祝日 | 建国記念の日、憲法記念日、昭和の日 |
| 自然の恵みに目を向ける祝日 | 春分の日、みどりの日、海の日、山の日、秋分の日 |
| 成長や世代にまつわる祝日 | 成人の日、こどもの日、敬老の日 |
| 働くことや実りへの感謝にまつわる祝日 | 勤労感謝の日 |
| 文化・スポーツにまつわる祝日 | 文化の日、スポーツの日 |
なかでも、日本ならではの豊かな自然の恵みに感謝する日が多いというのが特徴といえるでしょう。
6月に祝日がない背景には、こうした祝日の由来やテーマとして、祝日法以前から6月に広く定着した記念日や行事がなかったことも関係していると考えられます。
祝日がある月が多く、6月の空白が目立ちやすい
日本の祝日は、特定の季節だけに集中することなく、1年の中で、ほぼ毎月のように配置されています。
つまり、6月と12月以外の月には祝日があるため、6月になると「今月だけ祝日がない」と感じやすくなるのです。
4月末から5月にかけて大型連休があり、次の祝日7月の海の日まで、この間に祝日がありません。日本の祝日数が少ないからというより、むしろ多くの月に祝日があるからこそ、この空白が目立つといえるのではないでしょうか(この後の章で、12月との違いも詳しく見ていきます)。
6月に祝日がない背景として考えられること
6月に祝日がない理由として、基本になるのは「現在の祝日法に6月の国民の祝日が定められていないこと」です。
そのうえで、6月に祝日が置かれてこなかった背景として、いくつかの視点が挙げられます。
以下の3つの視点から整理してみましょう。
・皇室行事や記念日との関係
日本の祝日には、皇室に関わる日や歴史的な出来事をもとにした日がありますが、6月には祝日法以前から、国民の祝日として広く定着するような皇室行事や国家的な記念日が置かれてきませんでした。
6月にも5日:環境の日、10日:時の記念日、6月第3日曜日:父の日などの記念日はありますが、記念日として知られていることと、国民の祝日に制定されることとは異なり、法制の仕組みや社会全体での位置づけが関わってくるのです。
・学校や会社への影響
新しい祝日を作ることは、学校の授業日数、会社や行政機関の稼働日、行事や各種スケジュールにも関わります。
祝日が増えることは、単に休日が増えるだけでなく、社会全体の予定にもつながるため、過去にさまざまな面から協議された経緯がありました。
・梅雨時期という季節の特徴
6月は、春や秋のように屋外行事や行楽が盛り上がりやすい時期とは異なり、雨の日が多くなりやすい梅雨の季節で、田植えなど農作業に関わる時期でもあります。
ただし、梅雨や農作業だけが、6月に祝日がない決定的な理由とまでは言い切れません。これらは、6月に祝日が置かれてこなかった背景を考えるための視点のひとつと考慮するのがよいでしょう。
6月に祝日がないことが気になりやすい理由

この章では、「6月に祝日がない」と感じやすい理由を、12月との違いや季節の流れから考えます。制度の話だけでなく、暮らしの実感にも目を向けてみましょう。
12月は年末年始前で区切りを感じやすい
現在、国民の祝日がない月は6月と12月ですが、6月の方が「祝日がない」と気になりやすい人は多いかもしれません。
その理由のひとつは、12月には年末年始が近いことです。
12月は、国民の祝日がなくても、仕事納め、冬休み、年末年始の準備など、暮らしの区切りを感じやすい時期です。
たとえば、
・年末年始の予定を立てる
・仕事や家事を区切る
・学校や職場の予定が年末仕様になる
・帰省や旅行を考える
・大掃除や年越し準備をする
このような流れがあり、12月は祝日がなくても「年末に向かっている」という感覚があるのです。
一方で、6月には年末年始のような大きな区切りがあまりみあたらないため、同じように祝日がない月でも、6月の方が空白を感じやすいのでしょう。
6月は大型連休後から夏休み前の谷間になりやすい
5月のゴールデンウィークでいったん気持ちが切り替わったあと、次の祝日は7月の海の日までないため、6月は大型連休後から夏休み前までの谷間のように感じられます。
この時期は、次のような感覚を持ちやすいかもしれません。
・大型連休が終わり、通常の生活に戻る
・次のまとまった休みまで少し距離がある
・梅雨時期で外出予定を立てにくい日がある
・新年度からの予定が積み重なってくる
・カレンダーに赤い日がなく、1か月が長く見える
祝日がないこと自体に加えて、季節の特徴や予定の区切りが少ないことも、6月の長さを感じる理由になりそうです。
だからこそ、6月は「休みがない月」と見るだけでなく、自分で小さな区切りを作る月として考えると、少し受け止め方が変わるのではないでしょうか(のちの章で、ヒントをご案内します)。
1年の折り返し(半年)を意識する時期
6月は、1年の折り返しを意識する時期でもあります。
年始に立てた予定、春から始めたこと、やりたいと思っていたことを思い出す人もいるでしょう。
「今年ももう半分経つ」と感じて焦る感覚や、これまでの時間から今後を見直したいという思いも出てくるかもしれませんね。
祝日がないからこそ、カレンダーに区切りを待つのではなく、自分で区切りを作ることを意識するとよいかもしれません。
焦る気持ちが出た時とは、見方を変えれば、暮らしを整え直すための余白づくりのきっかけにもできるということではないでしょうか。
6月の祝日にまつわるQ&A

過去に6月が休日になった年はある?
A:6月には毎年決まった国民の祝日はありませんが、過去にその年限りの休日となった日があります。
近年では1993年6月9日でしたが、覚えていますか?
この日は、当時の皇太子の結婚の儀が行われた日でした。
そのため、「皇太子徳仁親王の結婚の儀の行われる日を休日とする法律」が作られ、1993年6月9日は休日となりました。
ここで押さえておきたいのは、この日が毎年ある国民の祝日ではなかったという点です。
6月には通常の国民の祝日はありませんが、特別な法律によって休日となった年はあった、という理解が自然です。
今後6月に祝日ができる可能性はある?
A:今後、6月に祝日ができる可能性は、制度上はあります。
考えられるのは、主に次の2つです。
・祝日法が改正され、新しい国民の祝日が定められる場合
これまでにも、日本では新しい祝日が追加されてきました。もっとも新しい祝日「山の日」は2014年制定、2016年施行となりました。そのため、将来、6月に関わる新しい祝日が法律で定められれば、6月にも国民の祝日ができる可能性はあります。
・将来、6月生まれの天皇が在位され、天皇誕生日が6月になる場合
天皇誕生日は、在位されている天皇の誕生日にあたる日が国民の祝日になります。将来、6月生まれの天皇が在位されることがあれば、6月に天皇誕生日が置かれることも考えられます。
ただし、現時点で毎年6月に置かれる国民の祝日ができる予定はありません。
あくまでも祝日法の改正や天皇誕生日の位置づけによって、将来的に変わる可能性があると考えるのがよいでしょう。
祝日がない6月に暮らしに余白を作るヒント

この章では、祝日がない6月をどう受け止めるかを考えます。カレンダーに祝日がなくても、自分なりの区切りや小さな休息を作ることで、1年の後半へ向かう準備がしやすくなりますように。
1年の折り返し前に予定を見直してみる
6月は、1年の折り返しに近づく時期です。
年始に立てた予定や、春から始めたことを見直すには、ちょうどよい区切りになります。
まずは、次のような項目を簡単に書き出してみましょう。
・今年の前半にできたこと
・年始に立てた予定や、春から始めたことの振り返り
・夏以降にやってみたいこと
・家計や買い物予定の確認
・減らしてもよさそうな予定や家事
・自分の時間の使い方の見直し
予定を見直すときは、「もっと頑張らなければ」と考えるより、今の自分に合う形へ整え直すといった意識で十分です。
6月に祝日がないからこそ、自分で「見直しの日」を決めてみるのもよいですね。
手帳やカレンダーに30分だけ時間を取るだけでも、これからの動き方が見えやすくなります。
有給休暇や半日休みを自分の区切りにする
6月に国民の祝日はありませんが、自分の予定に合わせて休みを取るという選択肢もあります。
たとえば、週末に有給休暇を組み合わせると、短いミニ連休を作ることもできます。
・金曜日に有給休暇を取って、金土日で小旅行に出かける
・月曜日を休みにして、日月でゆっくり過ごす
・半日休みを使って、平日に用事をまとめて済ませる
・人の少ない時間帯に外出や買い物をする
祝日は多くの人が同じ日に休むため、観光地や商業施設が混みやすいこともあります。
一方で、有給休暇や半日休みは、自分の都合に合わせやすいのがよいところです。
もちろん、業種や職場の状況によって、思うように休みを取れない場合もあります。
それでも、調整できる範囲で「自分のための区切り」を作ると、6月の長さを少し違った気持ちで受け止められます。
遠出をしなくても、平日の午前中にカフェで手帳を開く、午後から家のことを整える、近場の美術館や映画館に行くなど、小さな予定でも十分普段の日常とは異なる時間の流れを体験できると思いませんか?
日常の中に小さな休息の時間を作る
休みは、必ずしも丸1日取らなければならないものではありません。
6月は祝日がないぶん、日常の中に短い休息を意識して入れることも大切です。
たとえば、次のような形なら、忙しい日にも取り入れやすいでしょう。
・朝の5分だけ、窓を開けて深呼吸する
・昼休みにスマートフォンを置いてお茶を飲みに行く
・夜は照明を少し落として、静かな時間を作る
・短時間でも浴槽に浸かる
・週に1回、夕食を簡単なメニューにする
・寝る前に今日よかったことを3つだけ思い出す・書く
・デジタルデトックスの日または時間を決めて実践する
リモートワークの日がある場合は、通勤に使っていた時間を少しだけ自分のために使うのもよいですよね。
朝に洗濯物を片付ける、昼に短い散歩をする、終業後すぐに入浴や読書の時間へ移るなど、在宅の日ならではの余白を作れます。
短時間でも、「今は休む時間」と決めて過ごすと、1日の印象が変わります。
祝日がない月は、カレンダーに頼らず、自分で休みの合図を作る月と考えてみましょう。
梅雨の家時間を自分を整えるきっかけに
6月は梅雨時期にあたり、家で過ごす時間が増えやすい季節です。
外出の予定が立てにくい日もありますが、見方を変えれば、家の中でできる楽しみを見つけやすい時期でもあります。
屋内で過ごす日には、次のような予定を入れてみるのもおすすめです。
・読みかけの本を数ページ読む
・映画や配信作品を1本だけ観る
・お気に入りのお茶やお菓子を用意する
・クローゼットや引き出しをひとつだけ見直す
・写真や書類など、たまったものを少し整理する
家族と過ごす場合は、雨の日ならではの小さな行事を作るのもよいですね。
・ホットプレートで夕食を作る
・家で季節のデザートを楽しむ
・ボードゲームやカードゲームをする
・近場の屋内施設に出かける
・雨の日用の靴やバッグをお手入れする
晴れ間がある日は、近場の公園やあじさいの名所を短時間だけ散歩するのも季節感があります。
無理に遠くへ出かけなくても、雨の日と晴れ間の過ごし方を分けて考えると、6月の楽しみ方が広がります。
近くに夏越の祓を行う寺社があれば、半年の無事を感謝し年末に向かう区切りのイベントとして参加するのもステキです。
祝日がない6月だからこそ、「休みがない」と感じるだけで終わらせず、自分で余白を作る月にしてみてはいかがでしょうか。
まとめ:6月に祝日がない理由を知り、暮らしに小さな余白づくりを

6月に祝日がないのは、現在の祝日法に6月の国民の祝日が定められていないためです。
この記事で見てきたポイントを整理すると、次のようになります。
・現在、国民の祝日がない月は6月と12月
・12月は年末年始前のため、暮らしの区切りを感じやすい
・6月は大型連休後から夏休み前の谷間にあたり、祝日の空白が目立ちやすい
・日本の祝日は比較的多く、さまざまな意味を持つ日で構成されている
・1993年6月9日は、皇室の慶事によりその年限りの休日となった
・今後、祝日法の改正や天皇誕生日の位置づけによっては、6月に祝日ができる可能性は制度上考えられる
とはいえ、現時点で6月に国民の祝日ができる予定はありません。
だからこそ、6月は自分で小さな区切りを作る月と考えてみるのもよいでしょう。
予定を見直す、自分のタイミングで有給休暇や半日休みを検討する、日常の中に短い休息を入れる、梅雨の家時間を整える・・・こうした小さな工夫が、暮らしに余白を作るきっかけになります。
祝日がある月も、ない月も、時間の使い方は自分で少しずつ整えられます。
6月に祝日がない理由を知ったうえで、自分を労わる時間を作り、1年の後半へゆとりを持ってゆるやかに向かっていきたいものですね。
