「来年の干支(えと)は?」と聞かれたら、十二支の動物で答えることが一般的です。
たとえば2025年は「巳(み)年」ですが、「乙巳(きのと・み)」といわれる場合もあり、こちらは六十干支(ろくじっかんし)による本来の干支といわれる表し方です。
調べてみると、十干と十二支それぞれに、また両者の組み合わせによって、暦注にあるお日柄の指針、年月日、方角、時刻などを表すものとして用いられてきたことを知りました。
暦本を読む時、時代劇や落語などの古典芸能を楽しむ時などに、知っておくとより理解が深まって便利ではないでしょうか。
本来の「干支」は十干十二支(じっかんじゅうにし)
近年では、その年の十二支のことを「干支(えと)」と呼ぶのが、一般的といえるでしょうけれど、
本来の「干支(えと)」は、十干(じっかん)と十二支(じゅうにし)を組み合わせて年月日を表す、古代中国で用いられた暦のことで、その組み合わせから「六十干支(ろくじっかんし)」とも呼ばれます。
暦本に記された「暦注(れきちゅう)」の多くは、その日の干支を基に判断されています。
まずは十干と十二支それぞれについて、整理していきます。
「十干(じっかん)」について
10要素の呼び名と陰陽五行
「十干じっかん」は、「甲(こう)乙(おつ)丙(へい)丁(てい)戊(ぼ)己(き)庚(こう)辛(しん)壬(じん)癸(き)」の10要素で、順番に日を数えるための呼び名でした。
10日で「一旬(いちじゅん)」し、上・中・下旬の3回で1ヶ月と数えられていました。
その後、古代中国に根付いていた「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」と結びつき、十干の10要素それぞれが割り当てられるようになったといわれています。
・「陰陽説(いんようせつ)」は、万物はすべて「陰」と「陽」の2つ性質に分けられるという考え方
・「五行説(ごぎょうせつ)」は、万物はすべて「木」「火」「土」「金」「水」の元素から成るという考え方
「陰陽五行説」は、これらを組み合わせたもので、陽の性質は「兄(え)」陰の性質は「弟(と)」として「兄弟(えと)」と呼ばれ、また五行の気の性質が付された呼び名が作られたということです(「きのえ」など)。
以下の表をご参照ください。
十干 | 「陰陽五行」割当て |
1.甲(こう) | 木の兄(陽)・きのえ |
2.乙(おつ) | 木の弟(陰)・きのと |
3.丙(へい) | 火の兄・ひのえ |
4.丁(てい) | 火の弟・ひのと |
5.戊(ぼ) | 土の兄・つちのえ |
6.己(き) | 土の弟・つちのと |
7.庚(こう) | 金の兄・かのえ |
8.辛(しん) | 金の弟・かのと |
9.壬(じん) | 水の兄・みずのえ |
10.癸(き) | 水の弟・みずのと |
五行相生と五行相克
五行説には、五行相生と五行相克という関係性があり、広く東洋医学や薬膳などにも用いられる考え方で、暦注の吉凶判断もその一つとなるため、こちらに併せて掲載します。
・五行相生(そうせい)の関係は、生は生じるを意味し、木・火・土・金・水の順番に、「木は燃えて火を生み→ 火は燃えた灰で土を生み→ 土には金鉱が生じ→ 金鉱の鉱脈には水が生じ→ 水は木を生長させる」という考えに基づき、エネルギーを増やす関係です。
・五行相克(そうこく)の関係は、剋は勝つを意味し、「木剋土(木は土に勝ち)→ 土剋水(土は水に勝ち)→ 水剋火(水は火に勝ち)→ 火剋金(火は金に勝ち)→ 金剋木(金は木に勝つ)」という考えに基づき、エネルギーを削ぐ関係です。
十干と方角の割当て
「恵方(えほう)」とは、その年に福徳を授ける福の神「歳徳神(としとくじん)」が位置するとされる、最も縁起の良い方角を指し、節分に恵方巻を食べる際に向く方角として知られています。
その際、十干に割り当てられた4つの方角を指します。
甲(きのえ)・己(つちのと)の年 | 甲の方角 東北東やや東 |
庚(かのえ)・乙(きのと)の年 | 庚の方角 西南西やや西 |
辛(かのと)・癸(みずのと)・丙(ひのえ)・戊(つちのえ)の年 | 丙の方角 南南東やや南 |
壬(みずのえ)・丁(ひのと)の年 | 壬の方角 北北西やや北 |
「東北東やや東」のような表現のため、図をご覧ください。
こちらは十干と十二支両方が記載された方角になります。十二支によって東西南北の四方が配置され、十干はややランダムに配置されているのを、見ることが出来るのではないでしょうか。
※恵方に関するその他につきましては、恵方とは?意味や方角が毎年変わる理由と調べ方 をご覧ください。
「十二支(じゅうにし)」について
12要素とその後の展開
「十二支(じゅうにし)」は、「子(ね)・丑(うし)・寅(とら)・卯(う)・辰(たつ)・巳(み)・午(うま)・未(ひつじ)・申(さる)・酉(とり)・戌(いぬ)・亥(い)」の12要素です。
近年は、いわゆる「年の干支」を表す際に用いられる動物名として、一般に知られています。
古代中国では、月の満ち欠けや太陽・星の観測などから1年が12か月であることが知られており、もとは、その12ヶ月を順番に表わすための呼び名でしたが、のちに12種の動物を当てはめたといわれています。
そして、年月日といった暦のみならず、方角や時刻を表すにも用いられ、さらには陰陽五行説や易と結びついて体系化されていきました。
かつての日本もこの考え方を踏襲して、方角や時刻に「十二支」を用い、東西南北を卯・酉・午・子に、1日を12分割して順番に割当てて表しました。
十二支と方角の割当て
まず、北を子として時計回りで順番に、子ね(北)・卯う(東)・午うま(南)・酉とり(西)の方角が割り当てられました。
その後、その間にあたる方角として、艮(丑寅)うしとら(北東)・巽(辰巳)たつみ(東南)・坤(未申)ひつじさる(南西)・乾(戌亥)いぬい(北西)と示されました。
十二支と時刻の割当て
1日は24時間という概念は、今やすっかり定着し当たり前のこととなっていますが、かつての日本では1日を12刻に分け、十二支で時刻を表した「十二時辰(じゅうにじしん)」を用いていました。
しかも、1872(明治5)年まで、「不定時法」を用いていました。
明け方から夕暮れまでを昼、夕暮れから翌日の明け方までを夜として、それぞれ昼夜を6等分するというもので、季節によって昼夜も1刻の長さも変わるものでした。
その後、「定時法」となり、1日を2時間ずつ12分割した時刻表現となりました。
こちらは、定時法による十二支と時刻について表した「十二時辰」の図です。
「子の刻」は23時~翌日1時で、子の中央が正刻として正子(しょうし)と呼ばれ、1日とは正子~正子とされてきました。
午の刻は11~13時、午の正刻は正午(しょうご)として、現在も昼12時に使われています。
十二支による月、方角、時刻など一覧
十二支に割当てられた動物、月、方角、時刻を以下に一覧でまとめました。
十二支 | 読み | 動物 | 十二月建 / 節月(旧暦) | 方角 | 時刻 |
子 | ね / し | ネズミ | 建子月 / 11月節 | 北 | 23~翌1時 |
丑 | うし / ちゅう | ウシ | 建丑月 / 12月節 | 1~3時 | |
寅 | とら / いん | トラ | 建寅月 / 正月節 | 3~5時 | |
卯 | う / ぼう | ウサギ | 建卯月 / 2月節 | 東 | 5~7時 |
辰 | たつ / しん | タツ | 建辰月 / 3月節 | 7~9時 | |
巳 | み / し | ヘビ | 建巳月 / 4月節 | 9~11時 | |
午 | うま / ご | ウマ | 建午月 / 5月節 | 南 | 11~13時 |
未 | ひつじ / び | ヒツジ | 建未月 / 6月節 | 13~15時 | |
申 | さる / しん | サル | 建申月 / 7月節 | 15~17時 | |
酉 | とり / ゆう | トリ | 建酉月 / 8月節 | 西 | 17~19時 |
戌 | いぬ / じゅつ | イヌ | 建戌月 / 9月節 | 19~21時 | |
亥 | い / がい | イノシシ | 建亥月 / 10月節 | 21~23時 |
※十二月建は、北斗七星の斗柄にあたる星が真北を指す子ねの方角を「建子月(けんしげつ)」として、二十四節気の冬至期間を含む旧暦十一月節からスタートさせる暦による月の決め方です。
西暦から十二支を計算する方法
普段の生活では、西暦や元号(昭和、平成、令和など)で年を表すため、生まれ年やある年の干支といわれる「十二支」は何か、といわれてもわかりにくくすぐには答えられないことがほとんどではないでしょうか。
そんな時、以下のように西暦年から十二支(いわゆるその年の干支)を計算して知ることができます。
西暦年から3を引いて12で割り、その余りとなった数によって順番に十二支がわかります。
(西暦年ー3)÷12 の余りの数と十二支の関係
|
たとえば、2024年なら(2024-3)÷12=168 余り5で辰、2025年なら(2025ー3)÷12=168 余り6で巳、正解です。
ただし、通常の電卓は余りが出ないものがほとんどなので、手計算となるのではないでしょうか。
干支「六十干支(ろくじっかんし)」について
十干・十二支についてそれぞれ見てきましたが、両者を組み合わせた干支「六十干支(ろくじっかんし)」について調べた内容を整理しました。
六十干支という通り、干・支60通りの組み合わせにより60年で暦が一巡することが、還暦(かんれき)です。
また、日の干支も60日で一巡します。
干支はいずれも「甲子(きのえね)」からスタートします。
※還暦祝いに関しては、よろしければ、こちらもご覧ください。還暦祝いの主催者や祝うタイミングとは?プレゼント選びのコツも
なぜ60通りの組み合わせ?
単に組み合わせるのならば、十干の10と十二支の12で、120通りになるのでは、と思いませんか?
ところが、60通りになるというからには決まり事があり、すべて満遍なく組み合わせるというわけではありませんでした。
組み合わせ方は先に十干が来て、「甲・ 乙・ 丙・ 丁・ 戊・ 己・ 庚・ 辛・ 壬・ 癸」の順番で「 癸」から再び「甲」に戻ります。
後につく十二支は、「子・ 丑・ 寅・ 卯・ 辰・ 巳・ 午・ 未・ 申・ 酉・ 戌・ 亥」が順番で「亥」から再び「子」に戻ります。
そして、「子・寅・辰・午・申・戌」は、陽の性質である兄(え)のつく「甲・丙・戊・庚・壬」との組み合せのみとなり、「乙子(きのとね)」などの組み合わせは生じないことになります。
これを繰り返していくと、十干・十二支は10と12の最小公倍数※60で一巡します。
以下の表をご覧ください。
十干 | 十二支 | ||||
甲(きのえ) | 丙(ひのえ) | 戊(つちのえ) | 庚(かのえ) | 壬(みずのえ) | 子 |
乙(きのと) | 丁(ひのと) | 己(つちのと) | 辛(かのと) | 癸(みずのと) | 丑 |
甲(木の兄) | 丙(火の兄) | 戊(土の兄) | 庚(金の兄) | 壬(水の兄) | 寅 |
乙(木の弟) | 丁(火の弟) | 己(土の弟) | 辛(金の弟) | 癸(水の弟) | 卯 |
甲 | 丙 | 戊 | 庚 | 壬 | 辰 |
乙 | 丁 | 己 | 辛 | 癸 | 巳 |
甲 | 丙 | 戊 | 庚 | 壬 | 午 |
乙 | 丁 | 己 | 辛 | 癸 | 未 |
甲 | 丙 | 戊 | 庚 | 壬 | 申 |
乙 | 丁 | 己 | 辛 | 癸 | 酉 |
甲 | 丙 | 戊 | 庚 | 壬 | 戌 |
乙 | 丁 | 己 | 辛 | 癸 | 亥 |
※公倍数とは、2つ以上の整数に共通な倍数で、そのうち最小のものが最小公倍数です。
六十干支と読み方、西暦年、和暦年一覧
和暦年で改元(元号が変わること)の年は、赤字にしています。
番号 | 干支 | 読み方1 | 読み方2 | 西暦年 | 和暦(元号)年 |
1 | 甲子 | きのえね | こうし | 1924年・1984年 | 大正13年・昭和59年 |
2 | 乙丑 | きのとうし | いっちゅう | 1925年・1985年 | 大正14年・昭和60年 |
3 | 丙寅 | ひのえとら | へいいん | 1926年・1986年 | 大正15年:昭和元年・昭和61年 |
4 | 丁卯 | ひのとう | ていぼう | 1927年・1987年 | 昭和2年・昭和62年 |
5 | 戊辰 | つちのえたつ | ぼしん | 1928年・1988年 | 昭和3年・昭和63年 |
6 | 己巳 | つちのとみ | きし | 1929年・1989年 | 昭和4年・昭和64年:平成元年 |
7 | 庚午 | かのえうま | こうご | 1930年・1990年 | 昭和5年・平成2年 |
8 | 辛未 | かのとひつじ | しんび | 1931年・1991年 | 昭和6年・平成3年 |
9 | 壬申 | みずのえさる | じんしん | 1932年・1992年 | 昭和7年・平成4年 |
10 | 癸酉 | みずのととり | きゆう | 1933年・1993年 | 昭和8年・平成5年 |
11 | 甲戌 | きのえいぬ | こうじゅつ | 1934年・1994年 | 昭和9年・平成6年 |
12 | 乙亥 | きのとい | いつがい | 1935年・1995年 | 昭和10年・平成7年 |
13 | 丙子 | ひのえね | へいし | 1936年・1996年 | 昭和11年・平成8年 |
14 | 丁丑 | ひのとうし | ていちゅう | 1937年・1997年 | 昭和12年・平成9年 |
15 | 戊寅 | つちのえとら | ぼいん | 1938年・1998年 | 昭和13年・平成10年 |
16 | 己卯 | つちのとう | きぼう | 1939年・1999年 | 昭和14年・平成11年 |
17 | 庚辰 | かのえたつ | こうしん | 1940年・2000年 | 昭和15年・平成12年 |
18 | 辛巳 | かのとみ | しんし | 1941年・2001年 | 昭和16年・平成13年 |
19 | 壬午 | みずのえうま | じんご | 1942年・2002年 | 昭和17年・平成14年 |
20 | 癸未 | みずのとひつじ | きび | 1943年・2003年 | 昭和18年・平成15年 |
21 | 甲申 | きのえさる | こうしん | 1944年・2004年 | 昭和19年・平成16年 |
22 | 乙酉 | きのととり | いつゆう | 1945年・2005年 | 昭和20年・平成17年 |
23 | 丙戌 | ひのえいぬ | へいじゅつ | 1946年・2006年 | 昭和21年・平成18年 |
24 | 丁亥 | ひのとい | ていがい | 1947年・2007年 | 昭和22年・平成19年 |
25 | 戊子 | つちのえね | ぼし | 1948年・2008年 | 昭和23年・平成20年 |
26 | 己丑 | つちのとうし | きちゅう | 1949年・2009年 | 昭和24年・平成21年 |
27 | 庚寅 | かのえとら | こうしん | 1950年・2010年 | 昭和25年・平成22年 |
28 | 辛卯 | かのとう | しんぼう | 1951年・2011年 | 昭和26年・平成23年 |
29 | 壬辰 | みずのえたつ | じんしん | 1952年・2012年 | 昭和27年・平成24年 |
30 | 癸巳 | みずのとみ | きし | 1953年・2013年 | 昭和28年・平成25年 |
31 | 甲午 | きのえうま | こうご | 1954年・2014年 | 昭和29年・平成26年 |
32 | 乙未 | きのとひつじ | いつび | 1955年・2015年 | 昭和30年・平成27年 |
33 | 丙申 | ひのえさる | へいしん | 1956年・2016年 | 昭和31年・平成28年 |
34 | 丁酉 | ひのととり | ていゆう | 1957年・2017年 | 昭和32年・平成29年 |
35 | 戊戌 | つちのえいぬ | ぼじゅつ | 1958年・2018年 | 昭和33年・平成30年 |
36 | 己亥 | つちのとい | きがい | 1959年・2019年 | 昭和34年・平成31年:令和元年 |
37 | 庚子 | かのえね | こうし | 1960年・2020年 | 昭和35年・令和2年 |
38 | 辛丑 | かのとうし | しんちゅう | 1961年・2021年 | 昭和36年・令和3年 |
39 | 壬寅 | みずのえとら | じんいん | 1962年・2022年 | 昭和37年・令和4年 |
40 | 癸卯 | みずのとう | きぼう | 1963年・2023年 | 昭和38年・令和5年 |
41 | 甲辰 | きのえたつ | こうしん | 1964年・2024年 | 昭和39年・令和6年 |
42 | 乙巳 | きのとみ | いつし | 1965年・2025年 | 昭和40年・令和7年 |
43 | 丙午 | ひのえうま | へいご | 1966年・2026年 | 昭和41年・令和8年 |
44 | 丁未 | ひのとひつじ | ていび | 1967年・2027年 | 昭和42年・令和9年 |
45 | 戊申 | つちのえさる | ぼしん | 1968年・2028年 | 昭和43年・令和10年 |
46 | 己酉 | つちのととり | きゆう | 1969年・2029年 | 昭和44年・令和11年 |
47 | 庚戌 | かのえいぬ | こうじゅつ | 1970年・2030年 | 昭和45年・令和12年 |
48 | 辛亥 | かのとい | しんがい | 1971年・2031年 | 昭和46年・令和13年 |
49 | 壬子 | みずのえね | じんし | 1972年・2032年 | 昭和47年・令和14年 |
50 | 癸丑 | みずのとうし | きちゅう | 1973年・2033年 | 昭和48年・令和15年 |
51 | 甲寅 | きのえとら | こういん | 1974年・2034年 | 昭和49年・令和16年 |
52 | 乙卯 | きのとう | いつぼう | 1975年・2035年 | 昭和50年・令和17年 |
53 | 丙辰 | ひのえたつ | へいしん | 1976年・2036年 | 昭和51年・令和18年 |
54 | 丁巳 | ひのとみ | ていし | 1977年・2037年 | 昭和52年・令和19年 |
55 | 戊午 | つちのえうま | ぼご | 1978年・2038年 | 昭和53年・令和20年 |
56 | 己未 | つちのとひつじ | きび | 1979年・2039年 | 昭和54年・令和21年 |
57 | 庚申 | かのえさる | こうしん | 1980年・2040年 | 昭和55年・令和22年 |
58 | 辛酉 | かのととり | しんゆう | 1981年・2041年 | 昭和56年・令和23年 |
59 | 壬戌 | みずのえいぬ | じんじゅつ | 1982年・2042年 | 昭和57年・令和24年 |
60 | 癸亥 | みずのとい | いがい | 1983年・2043年 | 昭和58年・令和25年 |
日常を見回してみると
ご自身の生年を調べてみたり、ざっと眺めてみると、案外見聞きした覚えのある干支二文字や読み方があったのではないでしょうか。
・高校野球の開催される、兵庫県の「阪神甲子園球場」は、1924(大正13)年に完成したため、この年の干・支「甲子(こうし)」から名付けられたという話は有名で、今年2024年で100年になるのですね!
・人口動態などの統計をみると、人口ピラミッドでひときわ人口の少ない年があります。それは、1966(昭和42)年の干支が「丙午(ひのえうま)」であったため、丙午にまつわる迷信を避けようと、出生率が下がったというお話です。
当時は、まだまだ暦本やかつて信じられてきた迷信が残っていたのであろう、時代背景が伺えます。次に巡ってくるのは、上記の表によると2026(令和8)年です。
その時の出生率には、どのような影響があるのか、注目しておくのもよいかもしれませんね。
・他にも戊辰戦争や辛亥革命など、2つの読み方を知っておくと、歴史上の出来事などと結びついていることがわかり、かつて用いられていた暦の歴史も窺い知ることが出来るのではないでしょうか。
まとめ
本来の「干支(えと)」は、「十干(じっかん)」と「十二支(じゅうにし)」を組み合わせて年や日を表す、古代中国発祥の暦の指し、組み合わせが60であることから「六十干支(ろくじっかんし)」とも呼ばれます。
近年は、今年の干支としては十二支を指すことが一般的となりましたが、十干と十二支とも、それぞれが年月日の暦以外にも、方角や時刻を表す他、五行陰陽節や占と結びついて体系化され、暦注の各種吉凶判断に用いられるというように、広範に用いられていることがわかりました。
これらを整理したり一覧を作成する過程で、何度も目にしているうちに、これまで気づかなかっただけで、実は身の回りにあって忘れていたけれど知っていたことや、関連を見出すことが多々ありました。
これらの基礎知識を通して、日常から古の歴史に触れたり、古典に親しみ理解が深まり広がる機会となりますように。