土用とは?年4回で夏以外にもある?時期や留意点と食べ物も

毎年7月下旬ごろになると「今日は土用の丑の日です」と、ニュースなどで耳にして、今年はうなぎ食べようか、どうしようかなどと思いませんか?

このように「土用(どよう)」は夏が有名ですが、日本独自の暦「雑節」の1つで、春夏秋冬の各季節における移行期間として、年4回設けられた節目になります。

・冬土用期間:2024年1月18日(木)~2月3日(土)

・春土用期間:2024年4月16日(火)~5月4日(土)

・夏土用期間:2024年7月19日(金)~8月6日(火)

・秋土用期間:2024年10月20日(日)~11月6日(水)

土用の意味や時期、また昔からその期間に留意が必要とされていることや、取り入れるとよいとされる食べ物などについて調べてみました。

土用とは?

季節の節目「雑節」の1つ

「土用(どよう)は、節分や彼岸のように、「雑節(ざっせつ)」に分類される節目の1つです。

年4回示されており、「二十四節気」の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれ直前18日間にあたります。

立春前は「冬土用」、立夏前は「春土用」、立秋前は「夏土用」、立冬前は「秋土用」と呼ばれ、例年それぞれ1月中旬、4月中旬、7月中旬、10月中旬頃に始まります。

雑節は、中国から伝えられた「二十四節気」だけでは表せない、日本ならではの季節の目印や農作業の目安となる日、祭りや祈願などに重要な日を補う必要から、日本人の季節感や生活文化に合わせて作られた、日本独自の暦です。

※「二十四節気」とは、1年を春夏秋冬4つの季節に分け、さらにそれぞれを6つに分けて季節の節目を表したものです。(春分・秋分・夏至・冬至などが含まれます。)

※ よろしければ、こちら雑節とは?9つすべてを日程とともにご紹介 をご参照ください。

土用の由来や意味

土用は古代中国の「陰陽五行説」に由来し、四季に「木、火、土、金、水」を割り当て、春=木、夏=火、秋=金、冬=水としました。

そして残った「土」は、四季の変わり目の「立春」「立夏」「立秋」「立冬」のそれぞれ直前18~19日間にあてはめ、次の季節への移行期間として、心身を養生する準備期間の意味合いももたらされました。

つまり季節と土用、は以下のような関係になります。

「立春」【春土用】→「立夏」【夏土用】→「立秋」【秋土用】→「立冬」【冬土用】

この時期に留意することとは?

また土用は「土旺用事(どおうようじ)」と言い、「土」の作用が強くなる季節のことを指します。

この期間は、土を司る「土公神(どくしん・どくじん)」という神様が支配するため「土を動かしてはいけない」とされてきました。

穴掘りや草むしり、建築作業全般を避けることが対象になりますが、これは季節の変わり目に体調を崩さないように、農作業や戸外での作業などに、休養を設けるという意味合いだったのではないかと言われています。

現在も、この時期の基礎工事や旅行などを避けたり、ガーデニングなど土いじりをしてしまった場合は土公神に謝る、といった風習は続いているともいわれます。

しかし18日間の土用が年4回、72日間も避けていては少なからず支障があるのではないでしょうか?

そこで考えられたのが「間日(まび)」という概念でした。

土用の間日(まび)とは?

土用の期間に土の神様である土公神が天上に戻る日があり、その日を「間日(まび)」として、土に触れる作業をしても問題ないとされました。

また、間日は固定した日ではなく各土用ごとに決まっているため、使用する暦などで確認する必要があります。

今年の土用期間と間日はいつ?

各季節ごとに、今年2024年の土用と間日をご紹介します。

また、土用の初日を土用入り、最終日を土用明け(節分)と呼びます。

冬の土用 未の日(ひつじのひ)

・冬土用期間:2024年1月18日(木)~2月3日(土)

冬土用の間日は寅・卯・巳の日

・2024年の間日:1月18日(木)巳、1月27日(土)寅、1月28日(日)卯、1月30日(火)巳

春の土用 戌の日(いぬのひ)

・春土用期間:2024年4月16日(火)~5月4日(土)

春土用の間日は巳・丑・酉の日

・2024年の間日:4月19日(金)丑、4月27日(土)酉、5月1日(水)丑

夏の土用 丑の日(うしのひ)

2024年は2回(7月24日(水)「一の丑」8月5日(月)「二の丑」)

・夏土用期間:2024年7月19日(金)~8月6日(火)

夏土用の間日:卯・辰・申の日

・2024年の間日:7月19日(金)申、7月26日(金)卯、7月27日(土)辰、7月31日(水)申

秋の土用 辰の日(たつのひ)

・秋土用期間:2024年10月20日(日)~11月6日(水)

秋土用の間日:未・酉・亥の日

・2024年の間日:10月22日(火)未、10月24日(木)酉、10月26日(土)亥、11月3日(日)未、11月5日(火)酉

※なお十二支は「今年の干支」のような年以外にも、月、日にち、時刻、方角などを表すことができ、12で1サイクルとして回ります。日にちの場合には12日ごとに訪れます。

「子(ね)、牛・丑(うし)、寅(とら)、卯(う)、 辰(たつ)、 巳(み)、午(うま)、未(ひつじ)、 申(さる)酉(とり)、 戌(いぬ)、 亥(い)」

各季節の土用の食べ物とは何?

夏の土用丑の日のうなぎが有名になった諸説のうち、最も知られているのは、江戸時代の蘭学者、平賀源内(ひらがげんない)のアイディアによるもので、「本日土用の丑の日」とうなぎ屋が看板を出すと繁盛したというものです。

また奈良時代の「万葉集(まんようしゅう)」には、歌人の大伴家持(おおとものやかもち)によって、夏の滋養に「うなぎ」が良いと詠まれている和歌があります。

実は夏以外にも、それぞれ土用の時期に食べると良いとされるものがあり、季節の変わり目に食の養生として体調を整えたと言われています。

また夏の土用丑の日は、うなぎ以外の食べ物も挙げられています。取り入れやすいものを食してみるのも、よいかもしれません。

冬の土用

「未(ひつじ)の日」に「ひ」のつく食べ物や赤い物を食べるとよいそうです。

例えば、ひらめ・ひらまさ・ひじき・ひき肉など。赤い食べ物は、トマト・パプリカ・いちご・唐辛子・ラディッシュ・りんご・マグロなど

春の土用

「戌(いぬ)の日」に「い」のつく食べ物や白い物を食べるとよいそうです。

例えば、いんげん・いも・いちご・いちじく・いなり寿司・いわし・イカ・いくらなど。白い食べ物は、ご飯・食パン・牛乳・ヨーグルト・大根・かぶ・ホワイトアスパラ・豆腐・しらすなど。

夏の土用

「丑うし)の日」に「う」の付く食べ物や黒い食べ物を食べるとよいそうです。

たとえば、うなぎ・梅干し・うどん・瓜・ウニなど。黒い食べ物は、黒ゴマ・黒豆・ごぼう・ひじき・しじみ・どじょうなど。

秋の土用

「辰(たつ)」の日に「た」のつく食べ物や青い物を食べるとよいそうです。

例えば、大根・玉ねぎ・鯛・たこ・たくあんなど。青い食べ物は、青魚(さんま、さば)・ブルーベリーなど。

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これらは、「陰陽五行説」により春は青、夏は赤、秋は白、冬は黒といった季節の色があてはめられていますが、その反対の色の食べ物を食べると良いとされたこと(相克そうこく)に由来しています。

そのため、春は白、夏は黒、秋は青、冬は赤の食べ物が選ばれたと言われています。

また十二支は月にも割り当てられており、1月は寅、2月は卯、3月は辰、4月は巳、5月は午、6月は未、7月は申、8月は酉、9月は戌、10月は亥、11月は子、12月は牛(丑)となります。

ここでも相克(反対側)の時期のものを食べるとよいとされ、冬の土用は1月の寅の相克で6月の未の日、春の土用は3月の辰の相克で9月の戌の日、夏の土用は6月の未の相克で丑の日、秋の土用は戌の相克で辰の日にあたり、その日を示すはじめの一文字がつく食べ物が選ばれたと言われています。

まとめ

土用は「雑節(ざっせつ)」の1つで、次の季節への移行期間として18~19日間設けられ、土に触れる農作業や土木建築などを休み、体調を整える節目とされてきました。また、この期間に土に触れられる間日(まび)が設けられており、作業の滞りに対策がなされる一面もあります。

夏の土用が有名ですが、季節と土用は以下のような関係で年4回あります。

「立春」【春土用】→「立夏」【夏土用】→「立秋」【秋土用】→「立冬」【冬土用】

・冬土用期間:2024年1月18日(木)~2月3日(土)

・春土用期間:2024年4月16日(火)~5月4日(土)

・夏土用期間:2024年7月19日(金)~8月6日(火)

・秋土用期間:2024年10月20日(日)~11月6日(水)

季節の変わり目を整える食の養生も、夏の土用丑の日のうなぎ以外にも伝えられています。取り入れやすいものを食してみたり、休養をとって次の季節を楽しみに迎えたいものです。

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