月の満ち欠けによる月齢ごとの呼び名と意味は?月の模様はうさぎ以外も

ふと夜空を見上げて、今日の月はどこだろうと探すことはありませんか?

満月だけでなく、半月やさまざまな形の時の月を見るのも、良いものではないでしょうか。

そんな満ち欠けを織りなす月は、月齢それぞれに風情ある名前でも呼ばれています。

また、月の模様の見え方は、うさぎ以外にも世界中さまざまでお国柄が表れていました。

各月齢の名前の意味や由来と各国の月の模様について調べてみましたので、改めて月を眺める際の楽しみが増えたらと思います。

月の満ち欠けのメカニズムは?

画像元:国立科学博物館 宇宙の質問箱

月の形は日々変わり、完全な円形、半円、または細い弧形を示すことがあります。

この現象は、月自身の形が変わっているわけではありません。

月は地球の周りを1周しており、地球はその月と共に太陽の周りを1周しています。

これを「公転(こうてん)」と言い、この公転中に月と地球、太陽の位置が変わり、太陽の光に照らされる部分が変化した月が地球から見えるためです。

月は約1か月(平均29.5日)で地球の周りを1周(公転)し、その間に地球から月が見える方向が変化するため、月が満ち欠けして見えます。

例えば、太陽-月-地球の直線が成立するとき(新月)、太陽の光は月に遮られ地球には届かず、そのため月は見えなくなります。

逆に、太陽-地球-月の直線が成立する場合(満月)、地球から見た月は太陽の光によって照らされ、これが満月として認識されます。

また月の公転によって月が太陽の東に90度の位置の時は、地球からは月の西半分が照らされて見える半月で上弦の月として認識され、月が太陽の西に90度の位置の時は、月の東半分が照らされて下弦の月として認識されます。

月齢ごとの呼び名や意味など

月の満ち欠けの周期は平均29.5日とされ、「朔望月(さくぼうげつ)」と呼ばれています。かつては1か月の目安にもされてきました。

以下、月齢順に満ち欠けを表した、別の呼び名や意味などをご紹介していきます。

月齢1日目ごろ:新月(しんげつ)

月の初日に相当し、月が太陽と同じ方向にあるため地球からは見えません。

「始まり」という意味の「朔(さく・ついたち)」の別名もあります。

月齢2日目ごろ:繊月(せんげつ)

肉眼ではほとんど見えない細い月です。「二日月(ふつかつき)」の別名もあります。

月齢3日目ごろ:三日月(みかづき)

朔日から数えて三日目に見える月で、月の姿が初めて明らかになることから「初月(ういげつ)」や「若月(わかづき)」の別名もあります。

右側に細い弓の形が現れているものを指します。

月齢7日目ごろ:上弦の月(じょうげんのつき)

半月の形が弓形に見えることが由来で、上弦と呼ばれる理由には諸説ありますが、一般的には「弦」が上に見えるためで、「弓張月(ゆみはりつき)の別名もあります。

月の右半分に光が当たった状態が見えています。

月齢10日目ごろ:十日夜の月(とおかんやのつき)

十日目ごろに見られる月。古くからこの日に収穫を感謝する行事「十日夜(とうかんや)」を行う地域もあります。

月齢13日目ごろ:十三夜月(じゅうさんやづき)

十三日目ごろ満月より左側が少し満たない状態で見える月で、満月に次いで美しいとされ、月見会が開かれていたとされています。

月齢14日目ごろ:小望月(こもちづき)

満月の前夜に現れる月で、満月の別名の一つ「望月(もちづき)」の前日であることが由来とされています。また、満月を待ち望む意味で「待宵月(まつよいづき)」の別名もあります。

月齢15日目ごろ:満月(まんげつ)

月が最も丸く見える時で、地球から見て月に全て光が当たった状態です。

また、「望月(もちづき)」「十五夜(じゅうごや)」の別名もあります。

特に知られているのはお月見をする9月の十五夜ですが、満月の日は毎月15~17日の間で変動があります。

月齢16日目ごろ:十六夜(いざよい)

十五夜の次の夜、月が遅くに出ることから、ためらっているようだとの意味合いで「いざよい」と名づけられました。月の右側がかすかに満たない状態で見られます。

満月を過ぎた後の月という意味から、「既望(きぼう)」の別名もあります。

月齢17日目ごろ:立待月(たちまちづき)

月が昇るのが遅くなり、立ちながら待つ様子からこの名前がついたと言われています。

月齢18日目ごろ:居待月(いまちづき)

月の登場がさらに遅くなり、立ち続けて待つのが困難になり、座って待つ必要があることから名付けられたと言われています。

月齢19日目ごろ:寝待月(ねまちづき)

月の出が非常に遅いため、寝て待つほどという意味で名付けられたと言われています。「十九夜(じゅうくや)」の別名もあります。

月齢20日目ごろ:更待月(ふけまちづき)

夜更けにようやく昇る月という意味で名付けられたと言われています。

月齢23日目ごろ:下弦の月(かげんのつき)

弓の形状に見立てた際、直線の部分が下に向くことから、下弦の月と呼ばれています。また、月の周期の後半に位置するためにこの名前が付けられる説もあります。

月の左半分に光が当たった状態が見えています。

月齢26日目ごろ:有明月(ありあけづき)

夜明けの空に見える月という意味で、明るくなる空に対し昇る月を表します。

三日月とは反対に、左側に細い弓の形が現れているものを指します。

月齢30日目ごろ:三十日月(みそかづき)

三十日目は月の1サイクルの最終日で、これを意味する「みそか」から名づけられたと言われています。

この月は通常は少しだけ左側が光って肉眼では見えないことから、月が籠る(こもる)という意味の「晦日(つごもり)」の別名もあります。

また30日が晦日(みそか)、31日が大晦日(おおみそか)とされる由来と言われています。

月に見えるのはうさぎ?

日本では、月に見える模様は「うさぎの餅つき」と言わてきました。

これは月の地形からイメージされたものですが、元にはインド神話があるとされています。

昔々、猿、きつね、そしてうさぎの三匹が、山中で倒れている老人を助けようとそれぞれ食べ物を探しました。猿は木の実、きつねは魚を持ち帰りましたが、うさぎは何も持ち帰ることができず、仲間に熾(おこ)してもらった火の中に飛び込んで自らを捧げました。この行動に心打たれた老人は、実は帝釈天(たいしゃくてん/インドの神インドラ)であり、うさぎを月に昇らせたという内容です。

世界各地では、月の模様はさまざまに異なる物語やイメージをもって語られていますので、以下にいくつかご紹介します。

・ 中国では薬草を挽くうさぎ、

・ モンゴルでは犬、

・ インドネシアでは編み物をする女性、

・ ベトナムでは木の下で休む男性、

・ インドではワニ、

・ オーストラリアでは男性の顔、

・ 北ヨーロッパでは本を読む老女、水を担ぐ男女

・ 南ヨーロッパでは巨大なはさみを持つカニ、

・ 東ヨーロッパでは女性の横顔、

・ オーストリアでは灯りをつけたり消したりする男性

・ ドイツでは薪を担ぐ男性、

・ アラビアでは吠えるライオン、

・ カナダの先住民族ではバケツを持つ少女、

・ 南米ではロバ、、、といった具体的なイメージがあるそうです。

まとめ

月の満ち欠けは、月が約1か月(平均29.5日)で地球の周りを1周(公転)し、地球から太陽の光に照らされる月の部分が変化して見えるために起こります。

新月から次の新月までの1サイクルの中で、月齢によって形を変えて現れる月にそれぞれの名前がつけられ、日にちの変化を確認していた風習は、今も伝えられてなじみのあるものもあったのではないでしょうか。

最後に一覧でご確認下さい。

月齢1日目ごろ 新月(しんげつ)/ 朔(さく)
月齢2日目ごろ 繊月(せんげつ)/二日月(ふつかつき)
月齢3日目ごろ 三日月(みかづき)/初月(ういづき)若月(わかづき)
月齢7日目ごろ 上弦の月(じょうげんのつき)/弓張月(ゆみはりつき)
月齢10日目ごろ 十日夜の月(とうかんやのつき)
月齢13日目ごろ 十三夜月(じゅうさんやづき)
月齢14日目ごろ 小望月(こもちづき)/待宵月(まつよいづき)
月齢15日目ごろ 満月(まんげつ)/望月(もちづき)十五夜(じゅうごや)
月齢16日目ごろ 十六夜(いざよい)/既望(きぼう)
月齢17日目ごろ 立待月(たちまちづき)
月齢18日目ごろ 居待月(いまちづき)
月齢19日目ごろ 寝待月(ねまちづき)/十九夜(じゅうくや)
月齢20日目ごろ 更待月(ふけまちづき)
月齢23日目ごろ 下弦の月(かげんのつき)
月齢26日目ごろ 有明月(ありあけづき)
月齢30日目ごろ 三十日月(みそかづき)/晦日(つごもり)

また、月の模様の見え方は各国さまざまで、お国柄を表すものでした。

ふと月を見上げながら、これらの風情ある名前を覚えたり、会話の糸口にしてみてはいかがでしょうか。

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