電波時計の時刻がずれるのはなぜ?しくみや対策とアプリ利用も

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暦・時

私たちは、1日に何回も時計やスマホで時刻を確認しながら生活している、といっても過言ではないことでしょう。

近年は電波時計が普及し、自動で時刻を合わせてくれてありがたい限りです。

ところが、転居後やある日ふと時計をみたら、時刻がずれていたという経験、ありませんか?

何もしないまま翌日直っていた、という場合もありましたが、対策が必要な場合も経験しました。せっかくなので、改めて調べなおし備忘録としてまとめました。ご覧ください。

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改めて電波時計について

電波時計の歴史としくみ

電波時計は、政府機関が送信する標準電波を受信し、時刻を自動補正する時計です。

その歴史は、1980年代後半にドイツで置き時計の発売に始まり、1990年にはドイツのユンハンス社から世界初の「電波修正腕時計」が発売されました。

一方、日本では1960年代に、ラジオ受信機を内蔵し正午の時報に合わせて時刻を補正する時計が登場した後、1993年シチズンから世界初の「多局受信型電波時計」、以後各メーカーから相次いで発売されています。

現在の標準時について

古代より時刻は実際の天体観測に基づいていましたが、時代とともに地球の自転・公転観測に由来する天文秒の誤差を修正を重ねたのち、観測に代わりセシウム133原子時計による原子秒により定義されることとなりました。

1972年より、この原子秒を基にした協定世界時は、従来の世界時(平均太陽時)とほぼ同等とされ、両者を調整するうるう秒を設け、現在の標準時となりました。

※詳しい経緯につきましてはこちらをご覧ください。

なぜ「1時間は60分」で「1分は60秒」?現在の時間や1秒に至る変遷

日本における受信のしくみ

現在の日本標準時は、12台のセシウム原子時計に基づいた協定世界時が採用されています。

情報通信研究機構(NICT)」に属する「日本標準時(JST)グループ」の管理のもと標準電波(JJY)を介して送信されています。

発信先は以下の2か所です。

・福島局:1999年~福島県の「おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)」

・九州局:2001年~佐賀県と福岡県の県境の「はがね山標準電波送信所(60kHz)」

またコンピュータ用には、原子時計やGPSに直結されている「NTPサーバー」を通じて、日本標準時が生成表示されるシステムにより、時刻情報が提供されています。

電波時計の時刻ずれ原因5つ

一般的なクォーツ時計は、月に数十秒の誤差が生じるといわれており、時刻を自動補正してくれることが電波時計の最大のメリットですが、電波キャッチに関連した不具合で、時刻がずれる場合があります。

主な原因5つについて以下に説明し、次の章で対策を挙げていきます。

  1. 時計の電池残量の低下
  2. 電波の受信障害
  3. 針ずれ
  4. 電気機器からの磁気帯び
  5. 時計内部の劣化や故障

時計の電池残量の低下

最初に考えられるのが「電池残量の低下」です。

毎日自動で電波を受信する際に必要な電力が確保できない場合、時刻がずれる原因になります。

時計が完全に止まっていれば原因は明らかですが、電池切れになる前に兆候が表れる場合もあります。

アナログ時計の場合、秒針が数秒単位で飛ぶ動きが典型的なサインです。一方、デジタル時計では液晶の表示が薄くなることが多いので、ご注意ください。

本当に電波時計か念のため確認

稀に「ソーラー=電波時計」と誤解されることがあります。 プレゼントでいただいた場合などには、念のため確認しておくと安心です。

ソーラー時計は、「太陽光で動作する時計 」であり、電波を受信したり自動的に時刻補正する機能はない場合があります。(ソーラー式電波時計もあります。)

手元の時計が電波時計かどうか、取扱説明書や以下を確認してください。

  •  「Radio ~」や「Wave ~」といった記載がある
  •  リューズ以外にボタンが複数ある

電波の受信障害

電池に問題がない場合は「電波の受信障害」が疑われます。

ラジオやスマホが繋がりにくい場所があるのと同様に、受信エリア内であっても、周囲の地形や環境、鉄筋コンクリートの建築内部、その他受信しづらい場所や条件があります。

  •  高圧線や送電塔、鉄道の架線付近
  •  鉄骨建造物や地下空間などの屋内(特に窓際以外の場所)
  •  山や高層ビルなど電波を遮る障害物が近くにある場合
  •  強い磁気を発生させる機器や蛍光灯の近く
  •  金属製の壁や床に設置されている場合
  •  車内や飛行機内など移動中の乗り物の中
  •  朝夕の時間帯や天候が悪く日差しが弱い時
  •  工事現場や空港周辺など電波が乱れやすい環境

針ずれ

アナログ時計で、常に数秒や数分もしくは数時間ずれている場合は、「針ずれ」の可能性があります。

日常で何らかの衝撃を受けることにより、電波を受信する際に基準となる針の位置がずれてしまうことで生じるもので、自動補正時にずれたまま反映されてしまった状態です。

腕時計が何かに接触した場合や、置き時計の落下、掛け時計に何かがぶつかった場合などが考えられます。これらは注意していても起こりうることではないでしょうか。

電気機器からの磁気帯び

電波時計自体が磁気を帯びて時間がずれる場合があり、それが「磁気帯び」です。

時計内部モーターは電気と磁石の性質を利用しているため、金属部を介して帯磁します。

強い磁気を発生させる機器、例えば電化製品やOA機器等などの近くに置くことで磁気を帯び、時計内部のゼンマイなどの部品が引き寄せられて、不具合を生じてしまいます。(デジタル時計は、その影響を受けにくいともいわれています。)

一度磁気を帯びると時計に残り、それが繰り返されると、さらに強く帯磁してしまう場合もあるため、置き場所を見直す必要があります。

具体的な対象物は次の章でお伝えします。

時計内部の劣化や故障

上記4つ以外で電波時計がずれる原因として考えられるものは、「時計内部の部品劣化や故障」です。

長年の使用により、部品内の潤滑油が切れてしまうことや、時計内部の部品劣化もしくは物理的衝撃などによる損傷や故障で、精度が保たれなくなるという場合です。

この場合には、購入店や時計専門店、販売店などに修理の見積もりを依頼するか、新規購入を検討するという手段になります。

電波受信の対策5つ

以下の通り、電波受信の対策5つを順番に挙げていきます。

  1. 電池交換や充電
  2. 受信環境を整える
  3. 針の「基準位置合わせ」
  4. 磁気抜き
  5. 受信アプリの活用

電池交換や充電

電池残量の低下が疑われる場合は、まず時計が「電池式」か「ソーラー式」かを確認しましょう。

掛け時計・置き時計:電池を入れるスペースがあれば電池式です。

腕時計:ソーラー式のものが多く、文字盤や裏蓋にSOLARやECOなどと表記されているものが一般的です。 (廉価な商品で、電池式のものもあります。その場合には店舗で電池交換を。)

電池残量の低下をそのまま放置しておくと、電波をキャッチできないばかりか液漏れによる故障の恐れがあります。

時刻ずれや、秒針が数秒単位で飛ぶ、デジタル表示が薄くなってきたという場合には、早めに交換しましょう。

また冬の寒い時期は、腕時計が袖や衣服の下で隠れ、太陽光を十分に受けられず充電不足となりやすい傾向にあります。ソーラー式の場合は、窓際に置くなどして、定期的に時計を日光に当てるとよいでしょう。

受信環境を整える

標準電波の運用状況を確認する

情報通信研究機構(NICT)の日本標準時グループサイトには、

おおたかどや山標準電波送信所・はがね山標準電波送信所それぞれの標準電波(電波時計)の運用状況を確認できるページがあります。

こちらをクリックすると、メンテナンスや落雷などにより送信がストップ(停波)した日時が掲載されており、その影響が考えられます。この場合には、しばらくすると電波受信により回復します。

夜間の受信を待つ

電波時計は一日中電波を受信しているというわけではなく、一日数回決まった時刻に自動受信しており、夜間であることが多いようです。

また、夜は電波状況が良くなることが多いため、時計を窓際などに一晩置いておくことで受信できる可能性があります。

手動で強制受信を開始する

時計の「強制受信ボタン」を約10秒間押し続ける操作により、電波を受信します。

このとき、針が「4時」「8時」「12時」のいずれかで停止し、受信が完了すると再び動き始めます。

※方法は時計ごとに異なるため、詳細は取扱説明書を参照してください。

※また電池式の場合は、いったん電池を抜き取り数分後に再び電池を入れると、自動的に電波受信を開始してくれます。これでうまく補正できる場合もありますので、急ぎの場合は一度試してみる価値はあります。

時計の設置場所を見直す

前の章で、「電波の受信障害」が発生しやすい場所をお伝えしましたが、設置場所を見直すことで改善される場合があります。

・ 金属製の壁や床に設置されている場合は別の場所を検討する

といわれても、どうしても常に限られた場所でしか使用できないのも不便です。そのような場合には、定期的に窓際で受信して戻すという方法も、試す価値はあります。

・ 強い磁気を発生させる機器や蛍光灯の近くを避ける

一般的に以下の機器から周囲から最低5cmは離せば磁気の影響を受けない、との記載が多々ありますが、IH調理器ではもっと距離を置いた方がよいようです。(個人的には、数メートルは離しています。ある程度の距離をとっておいた方が無難かもしれません。)

  • パソコン
  • スマートフォン
  • 充電器
  • オーディオ機器
  • ラジオ
  • ゲーム機
  • 電子レンジ
  • 冷蔵庫
  • IH調理器
  • マグネット類

また盲点として、特に腕時計はスチール棚やスチールデスクの引き出しに入れっぱなしにしておかない、ということも大切です。

帰宅後は、時計を外して汚れを軽く拭くなどしてから、なるべく照明が当たるところに出して置くとよいでしょう。

・受信しやすい場所

  • 窓際、窓を開ける(ただし、サッシの金属からは離す)
  • 周りに高い建物のない、見晴らしの良い場所
  • お住まいから近い方の送信所のにアンテナ部を向ける(アンテナ部は取扱説明書を参照してください)

※周辺の地形や環境、天候や気温(高温過ぎ・低温過ぎ)の影響も受けますので、これらを見直しても受信できない場合があります。その場合には、後述の「受信アプリの活用」をご覧ください。

針の「基準位置合わせ」

電波を受信する際に基準となる針の位置がずれているため、その基準位置を「0時0分0秒」に修正する「基準位置合わせ」を行った上で、電波を受信してください。

※方法は時計ごとに異なるため、詳細は取扱説明書を参照してください。

磁気抜き

方位磁石を用いた磁気帯びがあるかどうかの確認方法や自分で行う磁気抜き方法もあるようですが、精密機械ですので、特に大切な時計である場合には、店舗に相談するのが最善ではないでしょうか。

受信アプリの活用

どうにも周囲の地形や環境の影響で、電池も場所を変えたけれど、電波を受信できない・・・という場合、まだ方法があります。

スマホアプリ「電波時計シミュレーター」

スマートフォン向けに提供されている電波時計のシミュレーターアプリをご存知でしょうか?

アプリの説明によると、13.3kHzの音声信号を発信し、3倍高調波(約40kHz)として電波時計の電波を擬似的に発生させることで、電波が届かない場所でも時刻を調整出来るというものです。

代表的なものはこちらです。

  • iPhone用の「JJY Simulator」
  • Android用の「JJY Emulator」

使用方法 

まずは、アプリをインストールします。

窓際など、電波時計の受信強度を示すアンテナマークが最大値の場所に移動します。

電波時計を電波受信モードに設定します。

その後、スマホアプリ内の「音声信号を出力」ボタンを押して、最大音量で再生します。

(Androidの場合は、アプリを起動すると疑似電波を発信します。)

スピーカーから聴覚検査の時のようなモスキート音でピーピー、ツーツーという音が聞こえてきますので、電波時計をスマホの上にのせて、そのまま2~3分すると、同期します。

ヘッドホンやイヤホンのコードをアンテナ代わりとして、電波時計に巻きつける方法でも可能です。

西日本にお住いの場合は、周波数選択で60kHzを選択してください。

まとめ

・電波時計は、政府機関が送信する標準電波を受信し、時刻を自動補正する時計です。1990年以降に市販普及してきた近年の発明品で、日常生活に欠かせないものとなりました。

・現在の日本標準時は、12台のセシウム原子時計に基づいた協定世界時が採用され、情報通信研究機構(NICT)内の日本標準時(JST)グループ管理のもと標準電波(JJY)が送信されています。

・発信先は、福島県の「おおたかどや山標準電波送信所(40kHz)」、佐賀県と福岡県の県境の「はがね山標準電波送信所(60kHz)」2か所です。

・電波時計といえど、時刻がずれる場合があります。

その主な原因と対策は以下の通りです。

  1. 時計の電池残量の低下   → 電池交換や充電
  2. 電波の受信障害      → 受信環境を整える、受信アプリの活用
  3. 針ずれ          → 針の「基準位置合わせ」
  4. 電気機器からの磁気帯び  → 磁気抜きを店舗に相談
  5. 時計内部の劣化や故障   → 修理可能か見積もり、もしくは買い替え

電波受信を利用する性質上、周辺の地形や環境、天候や気温(高温過ぎ・低温過ぎ)の影響も受けるために受信できない場合もありますが、対策できることもあります。

また最終的に故障を疑う場合にも、店舗に行く前に、まずは取扱説明書を読むことや、メーカーへの問い合わせで解決することもあります。

日頃から電波時計を定期的に電波を受信しやすい窓際に置いたり、ソーラー式であれば帰宅後は照明に当てたり、普段から汚れを拭き取るなどのお手入れをして、長く使用したいものです。

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